1.新婦側は約束の時間の前までに和室で行う場合は床の間のある部屋、洋室でもそれに相当する部屋を用意し、清掃などの準備し床の間にはめでたい掛け軸を飾ります。

本来、座布団の用意は必要ありません、式中は扇子を膝前に置きじかに座ります。現代ですと用意しても構わないでしょう。座る位置は床の間(上座)に向かって右側が新郎側、左側が新婦側です。床の間の前に新郎側が結納品を飾るので、その分のスペースをあけておきます。座布団を用意する場合は出席人数分の座布団を敷いておきます。

2.約束の時間の少し前に新郎側は到着します。
結納を行う部屋まで通されたら、新婦側はいったん退出します。新郎側は床の間の前向かって右側に持参した結納品と記念品を飾ります。(飾り方は絵を参照)飾り終わったら新郎側の父親が「準備が整いました」声をかけ、新婦側が入室、お返しの結納品と記念品を床の間向かって左に飾ります。受書は新婦の左側に置いておきます。飾り終わったら両家同時に着席します。
3.新郎の父親が進行役となって結納を始めます。
「それではこれから結納儀をとりおこなわせていただきます。」

4.新郎側が一礼し新郎の父親が口上を述べます。
「この度は○○様と息子○○の縁談をご承諾いただきありがとうございます。本日はお日柄もよろしいので、婚約のしるしとして結納の品を持参いたしました。幾久しくお納めください。」
というと、新郎母親が新婦の前に広蓋にのせた目録を運びます。この時、家族書があれば目録の下に重ねてお渡しします。

新婦は目録を受け取り、目を通し父親、母親の順にまわします。見終わったら「結構なお結納品の品々をありがとうございます。幾久しくお受けいたします。」と口上を述べ、新婦側一同一例をします。

新婦が「こちらが受書でございます、どうぞお納めください」というと、新婦の母親が新郎父の前に進み、広蓋に乗せた受書を渡します。
新郎父は受書に目を通し、次に新郎、新郎母の順でまわします。
見終わったら、新郎父が「相違ございません」と述べます。

ここで、新郎父親が「本日はどうもありがとうございました。おかげさまで無事に結納をお納めすることができました。今後とも幾久しくよろしくお願いいたします。」と口上を述べ、新郎側一同礼をする。

新婦側も新婦父親が「こちらこそ幾久しくよろしくお願いいたします。」と述べ、新婦側一同礼をします。

5.記念品を交換お披露目します。
進行役の新郎父が「それではここでお互いの記念品をお披露目させていただきます」と言います。二人がお互いの記念品を膝前に置き、少し前に進みます。

まず新郎がこの日のお礼を込めて一言話します。「本日はこのような席をおつくりいただき誠にありがとうございます。結納品も無事に納めることができ感謝申し上げます。これからこの決意を心に置き、二人の結婚と新生活に向けて準備を進めてまいります。」などと述べます。続いて新婦が一言を話します。「本日はこのような席をおつくりいただき誠にありがとうございます。大変結構な結納の品々もお納めいただき感謝申し上げます。これからこの決意を心に置き、○○さんについて、結婚と新生活に向けて準備を進めてまいります。」などと述べます。そうしたら、新郎は記念品(婚約指輪)を手に取り新婦に着けてあげます。着けてあげたら箱などを新婦右ひざ前に向きを変えて贈ります。新婦は着けてもらった指輪を見てから、記念品(腕時計など)を箱ごと新郎右ひざ前に向きを変えて贈ります。新郎は腕時計を箱から出し、自分の腕に着けます。(ここでお返しがない場合は用意しません。また、スーツなど大きなものは目録にして新郎に差し出します。)

二人は床の間を背に正面を向き、参列者に贈りあった記念品をお披露目します。

6.お仏壇があればご先祖様にお参りをします。仏壇の有無は事前に調べておき、線香をおみやげで持参します。新郎父がお参りさせていただきたいと申し出ます。
お参りが済んだら、終了です。

7.結納が終了したら、進行役は新婦父親になります。
お茶などを用意して、一気にリラックスムードで行きましょう。用意するお茶は桜湯や昆布茶などが鉄則です。茶を濁すなどのことわざから、祝いの席では濁りのないお茶を用意します。
祝い膳の前に記念撮影をします。両家の一同が揃う記念写真はこの時と結婚式の当日くらいですので、とても貴重な1枚になります。両家一同(参列者全員)、両家両親と新郎新婦、新郎新婦、新郎新婦と記念品の4枚は必須で残したいです。両家一同、両家両親と新郎新婦の写真の際には結納品を前に飾ります。

8.ここまでだいたい結納に15分程度、記念品、撮影に合計30分程度で終了します。
この後に祝い膳を用意します。同じ部屋でもいいですし、別の部屋に移動しても構いません。座布団なしで結納を行った場合は、祝い膳では座布団を使います。
新婦自宅で結納を行う場合、仕出し割烹などで御膳を頼むケースがほとんどです。準備配膳は仕出し屋さんが行います。準備ができるまでは別室などで待ちましょう。
この時に、新郎側は酒肴料などと書いたのし袋に一人5000円から1万円の金額の酒肴料を入れて新婦父に渡します。祝い膳の清算は新婦側主催の席なのでこのような形でだいたい折半にします。

9.準備が整ったら席につき、新婦の父親の音頭で祝い膳を囲みます。
乾杯は新郎が行うのがいいでしょう。
あとは終始リラックスして、今後の結婚式、結婚生活について話をしながら箸を進めます。新郎新婦は両家両親にお酒を注いで回ることを忘れずに。この日は本当に近い親族だけの新婦側主催の結婚式なのです。参列してくださった一人一人に感謝の意を伝えて回りましょう。
昼間の宴席でも代行を頼むことは可能です。せっかくの時間ですので代行を頼むなどしてお酒を楽しむことができるように配慮してみるのもOK。